皆さん、こんにちは。
北浜8020デンタルクリニック院長の松本です。
当院では予防歯科に大変力を入れております。
それはなぜか??
生涯ご自身の歯で美味しくお食事をしていただく為に大事なことは、しっかりと予防することだからです。
日本ではまだまだ歯医者に対して「治療」する事を求められることが多いと感じています。
それは、そもそもなぜその歯がムシ歯になってしまったのか、という原因を突き詰め、その原因に対して対処をしていくという考え方がまだ根付いていないからなのだと思います。
つまり、「対処療法」から脱却し「原因療法」へと考え方を転換しなければ、あなたの歯は削られていく一方で、そのままだと不幸な結末を迎えてしまうかもしれません。
「歯」は臓器であり、一度削ってしまえば決して元には戻りません。
誰しも出来ることなら生まれ持ったものを生涯大事にして、生きていきたいものですよね。
その為に大事な事は、極力歯を削らないことです。
先程も申しましたように、一度削った歯は決して戻ってきません。
だからこそ、ムシ歯にならない様にすることがとても大事ですし、
ムシ歯になってしまったのであれば、長期的な安定を見込むことの出来るセラミックやゴールドなどの修復物によって精度良く治すことが大事だと私は考えています。
何かトラブル(痛みが出る、詰め物が外れる)が起きてから歯医者に行くのではなく、トラブルが起きない様にするために予防的に歯医者に通院するという「習慣」が非常に大切です。
メインテナンスには既に行ってるから私には関係のない話だわー
と思われたそこのあなた!
一口に「メインテナンス」といっても、
リスクは人によって本当に様々なのです。
例えば、歯並びが綺麗でお手入れもしやすい。
その上普段のセルフケア(ご自身で行う歯磨きやフロスの事)もバッチリ出来ている。
そんな方が3ヶ月に1度定期的にプロフェッショナルケア(歯医者に通院し、歯科医師のチェックや歯科衛生士によるクリーニングを受ける事)を受けて、その中で自分が苦手としている部分を歯科衛生士によって綺麗にしてもらい、ブラッシングや清掃器具のアドバイスを受けて、また次回のプロフェッショナルケアの日を迎える。
これが究極の理想的なメインテナンスです。(そんな方でも必ずご自身のケアでは取りきれていない箇所や歯石が存在するので、第三者のプロによるチェックは必須です。)
こういう状態にあれば、あとは維持するだけですし、トラブルも起こりにくい。
結果として生涯における通院回数も少ないですし、生涯の医療費だって安く済みます。
しかし、現実問題そういった状態でメインテナンス出来ている方ばかりではないですよね?
皆さんが何かしらの問題や経過観察をしている箇所を抱えた状態で「メインテナンス」をしている事が多いはずです。
つまり、「闇雲に何となく歯医者にメインテナンスに通っている」ではなく、きちんとご自身の状態を、どこに問題を抱えているのか、どこを経過観察しているのかを把握していただく事が大事なのです。
そうすることで、どこか他人事で人任せであったメインテナンスも、自分事だと理解し、自発的に動いていただければ、メインテナンスに対するモチベーションも変わってくるはずです。
その為、当院では検査(レントゲン写真、ムシ歯に対する唾液検査や歯周病に対するPCR検査)や写真を撮って、データを取るということをとても大事にしています。
そうして患者様からいただいたデータを基に、それらを可視化する事で、患者様のお口の未来に予測がつけることが出来るのです。
つまり、このままでは将来どういった事になるのかが分かるという事です。
例えばムシ歯に対しては唾液検査を行うことによって、患者様の口腔内に存在する細菌の数や、唾液の量と質が分かります。
そうすることで、その患者様の口腔内における「歯を攻撃するムシ歯菌の力」と、「歯を守る唾液の力」の関係性を見ることで、その方がどの程度ムシ歯になりやすいかが分かります。
そして、歯周病に対してはPCR検査を応用した検査によって歯周病の原因菌の特定が可能となっております。検査はとても簡単!歯垢(プラーク)をとって検査キットに入れるだけ。これだけです。検査結果はその日のうちに出ます。
お口の中に歯周病菌は何千、何百種類と存在するのですが、実際に口腔内に対して悪さをする菌がどういった種類のものなのかが実は分かってきているのです。面白いもので歯周病菌の中にもヒエラルキーがあり、そのピラミッドの最上位に位置しているのが、P.gingivalisという菌なのです。この菌がどの程度存在しているのかを知ることは後々大きな違いになってきます。
口腔内に対して悪さをする菌(P.gingivalis)がお口の中にどの程度存在するのかを知ることが出来れば、その方のお口の未来がある程度予測出来るというものです。
そして、各項目の検査結果を抽出し問題点に対してそれぞれ個別で対処していくことで、その人に合ったオーダーメイドのメインテナンスプログラムが出来るのです。
例えばムシ歯を多く抱えており、唾液の量に問題がある方には、たくさんの種類のお薬を服用されていないのかを確認したり、唾液腺マッサージを行ったり、キシリトールガムを処方し噛んでもらうことで唾液を増やしてもらったりするetc…
各個人個人で、問題は様々です。それぞれの問題がある箇所に応じた対策をとっていく事が結果としてオーダーメイドのメインテナンスプログラムの構築に繋がっていくのです。
ご自身のリスクをきちんと把握し、日々のホームケアを適切に行った上で定期検診をきちっと受診するという習慣が身に付けば、歯を失うというリスクは大幅に下げる事ができます。
生涯ご自身の歯で美味しく食事を楽しむためにも、まずは習慣の変容から始めてみましょう。