もう夏が到来したのかと思うほどに暑い日が続いていますね。
梅雨の季節をすっ飛ばしたかのようになっており、春の穏やかな日々からの季節のうつろいを感じております。
皆様はどのようにお過ごしでしょうか?
今回は歯科と骨粗鬆症の関係性について述べていきたいと思います。
これって関係あるの?と思われるかもしれないですが、実は関係大アリなのです。
説明すべき内容がたくさんあるため、「いいほね.jp」を参照・引用した内容を含めて2回に分けてブログにアップしていきたいと思います。
今回は骨粗鬆症とはどんな病気なのか?について説明していきましょう。
骨の強度が低下して、骨折しやすくなる骨の病気を「骨粗鬆症」といいます。
骨粗鬆症により骨がもろくなると、つまずいて手や肘をついた、くしゃみをした、などのわずかな衝撃で骨折してしまうことがあります。
健康な人の骨
骨粗鬆症患者さんの骨
骨粗鬆症による骨折から、介護が必要になってしまう人も少なくないので、注意が必要です。
ではどんな部位が骨折しやすい部位なのでしょうか?
背骨(脊椎椎体)、脚の付け根(大腿骨近位部)、手首(橈骨:とうこつ)、腕の付け根(上腕骨)です。
1ヵ所骨折すると、その周囲の骨にも負担がかかり、連鎖的な骨折につながりやすいため、早期発見・早期治療が重要です。
大腿骨近位部は、骨折すると歩行が困難になり要介護状態になるリスクが高くなる骨折部位です。
大腿骨近位部骨折の85%は転倒が直接の原因となっていますので、骨粗鬆症の治療とともに転倒予防も重要です。
日本は世界でもトップクラスの長寿国です。現在では単に長寿を目指すだけでなく、健康で自立した生活を送れる期間をあらわす「健康寿命」を伸ばすことへの関心が高まっています。日本人の平均寿命と健康寿命の差を比べてみますと、男性では約9年、女性は約12年もの差があります。健康でイキイキとした人生を送りたいと誰しも願うものですが、実際には多くの人が長い間「健康ではない」状態で過ごしているのです。 骨は私たちの体や日常の活動を支える大切な器官です。骨粗鬆症を予防し、骨を健康に保つことは、健康寿命を延ばすことにもつながるのです。
では、骨粗鬆症の原因はなんでしょうか?
骨密度は女性の場合、18歳くらいでピークに達します。40歳代半ばまでは、ほぼ一定を維持しますが、 50歳前後から低下していきます。
加齢によって骨密度が低下するのは、女性ホルモンの分泌量減少に加えて腸管でのカルシウムの吸収が悪くなったり、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくる働きが弱くなるなどの理由があります。また、若い頃よりも食事量や運動量が減るといった生活習慣の変化も関係します。出来るだけ若い頃から、食事や運動に気を配ることで骨密度の減少を抑えることはできます。
骨粗鬆症は特に女性に多い病気で、患者さんの80%以上が女性といわれています。女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の新陳代謝に際して骨吸収をゆるやかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。そのため、閉経期を迎えて女性ホルモンの分泌が低下しますと、急激に骨密度が減り、同年代の男性に比べて早く骨密度が低くなります。
また、無理なダイエットによる栄養不足は、骨粗鬆症の原因になります。
とくに成長期は丈夫な骨をつくり、骨にカルシウムを貯蓄する大事な時期ですので、極端なダイエットをしますと、将来の骨密度に悪影響を及ぼします。
また、家にこもりがちで運動量が少ない人も、注意が必要です。骨は負荷がかかるほど、骨をつくる細胞が活発になりますので、外出する機会が少なかったり体を動かす習慣がない人は骨が衰えやすいのです。
骨はカルシウムの貯蔵庫とも言われています。
体内のカルシウムの99%は骨や歯の中にあり、残りの1%は他の組織や血液中に存在します。1%のカルシウムは、全体のカルシウム量からするとわずかですが、筋肉の収縮や血液の凝固、神経伝達に関わるなど重要な働きをしています。
そのため、血液中のカルシウムが足りなくなると、骨からカルシウムが溶けだして補おうとします。骨は、体を支える以外に、カルシウムを貯蔵するという役割も担っており、カルシウムの摂取量が少ないと、次から次へと骨からカルシウムを血液へ補わねばならず、骨の中のカルシウムが失われてしまうのです。
ここまで骨粗鬆症とはどういった病気なのかを述べてきました。
次回は骨粗鬆症と歯科にどのように関わりがあって、何を気をつけなければいけないのかを述べていきたいと思います。https://www.youtube.com/watch?v=Hjg4amWCAdU&t=39s