暦の上では春となり寒い日が続く中にも時折、春の訪れが近いことを感じることも増えてまいりました。皆様はどうお過ごしでしょうか?
さて、65歳以上の方々の栄養のことと題して連載しておりますが、早くも5回目となっております。まだしばらく続きそうですが、お付き合いいただければ幸いです。
『アミノ酸スコアを活用してみよう』
体を作るタンパク質は20種類のアミノ酸から構成されています。そのうち11種類は体内で合成できるのですが、残りの9種類(必須アミノ酸)は毎日の食事から摂らなければなりません。
さらに大事なのは、9種類それぞれの必要摂取量をバランスよく摂取するということ。必要量を満たしていないものが一つでもあると、それに合わせたタンパク質しか合成できないからです。
そこで、食品に必須アミノ酸がどれくらい満たされているかを分かりやすく示したのがアミノ酸スコアです。タンパク質を含む食品の中でもアミノ酸スコアが高い食品を選ぶことで、効率よく必須アミノ酸を摂取することができます。
『ビタミンDはどう摂ればいい?』
「摂取量の目安はどのくらい?」ビタミンDの1日の摂取目安量は8,5μg。脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすいため100μgを上限としていますが、日常の食事で摂りすぎる心配はほとんどありません。食事で十分に摂取できない場合にはサプリメントなどで補うと良いでしょう。ビタミンDはカルシウムの吸収を調節したり、骨の代謝を活性化したりする働きがある他、筋力や身体機能にも関連していて、不足すると転倒や骨折のリスクが高まります。フレイルやサルコペニア、骨粗鬆症の人は健常な人と比べてビタミンDの血中濃度が著しく少ないことが知られており、最近では骨粗鬆症(オステオポロネーシス)とサルコペニアが併存したオステオサルコペニアという概念も注視されています。
『魚に多いビタミンD』
ビタミンDが多く含まれている食品には魚介類(ビタミンD3)、キノコ類(ビタミンD2)などがあります。100gあたりの含有量は、ベニザケ(焼き)で38.0μg、うなぎ(蒲焼き)で19.0μg、干し椎茸で17.0μg。卵や乳製品にも少なからず入っており、牛乳ならコップ一杯200gとして0.6μg摂取することが出来ます。ビタミンDは日光(紫外線)を浴びることで皮膚でも生成されるので、高齢者に活動度を高める動機づけとして外出を促すことはとても有効です。