さて、今回は続編になります。
前回に引き続き「いいほね.jp」を参照・引用した内容でお伝えいたします。
骨は一度できあがってしまうと、その後ずっと変わらないもののように思われがちですが、骨も常に生まれ変わり続けていることをご存知でしょうか?
実は古くなり劣化した骨は、メンテナンスされて新しい骨へと生まれ変わっています。
これが骨の新陳代謝です。または、「骨のリモデリング(骨改変)」ともいわれます。
健康な骨では、骨吸収(骨を壊す働き)と骨形成(骨をつくる働き)のバランスがつり合っています。 しかし、骨粗鬆症の骨では、骨吸収がどんどん進んで骨形成を上回ってしまい、骨がスカスカして脆くなるのです。
また、骨の強さで重要なことは「骨密度」+「骨質」という二つの要素が大事になってくることをご存知でしたか?
骨粗鬆症は、骨密度が低下して骨折しやすくなる病気とされていたため、予防にあたっては「骨密度」を中心に考えられていた時代がありました。
しかし、骨密度が正常範囲であるにもかかわらず、骨折リスクが高い患者さんがいることがわかり、その原因を調べると、人によって「骨質(こつしつ)」に違いがあることが明らかになってきたのです。
そこで、骨粗鬆症の定義は「骨強度が低下し、骨折しやすくなる骨の病気」とあらためられ、「骨強度」には「骨密度」が70%、「骨質」が30%関係していると説明されるようになりました。
つまり骨粗鬆症は、骨密度の低下と骨質の劣化、その両方が影響しあって骨折リスクが高まる病気といえます。
また骨質とは、骨の微細構造、骨代謝回転の速さ、微小骨折の有無、石灰化の密度により示されます。
「骨」といえばカルシウムを連想しがちですが、骨の体積の50%は、コラーゲンです。
仮に骨を鉄筋コンクリートの建物とすると、カルシウムはコンクリートで、コラーゲンはコンクリート内に埋まっている鉄筋となります。
鉄筋(コラーゲン)の強さを左右するのは、鉄筋同士をつなぎとめるコラーゲン架橋で、これはいわば梁(はり)の役目をして、建物全体の強さにまで影響を及ぼしています。 さらに、このコラーゲン架橋には「善玉架橋」と「悪玉架橋」があり、悪玉架橋が増加すると、コラーゲン同士のつなぎとめが弱くなり、しなやかさが失われ、硬くても脆い、折れやすい状態となってしまいます。悪玉架橋は加齢とともに増えるほか、糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病によっても増えることが分かっています。
こうした生活習慣病の患者さんでは、骨密度検査で正常に近い結果が出ても骨折リスクが高いことがあるのです。
また、年齢とともに身長が縮むことはよくありますが、「年だから」と、そのままにしていませんか?身長は骨の健康のバロメータです。身長低下の主な原因は骨粗鬆症です。
骨粗鬆症になって骨がもろくなり、背骨がつぶれてしまうと、身長が縮んでしまうのです。1度背骨に骨折が生じると、再骨折のリスクも高くなります。
気になる症状があれば、そのままにせず、早めに医療機関を受診しましょう。
4cm以上身長が縮んだ人は積極的に骨密度検査やレントゲン検査を受けることが推奨されています。
さて、皆さんが骨についてかなり詳しくなったところで(笑)
骨粗鬆症の治療にはどのようなものがあるのかについて述べていきます。
骨粗鬆症治療の目的は、骨密度の低下を抑え、骨折を防ぐことにあります。
治療の中心は薬物治療になりますが、骨粗鬆症の発病には、食事や運動などの長年の習慣も深く関わっています。そのため、薬物治療とともに食事療法や運動療法も並行して行い、骨強度を高めていくことが極めて重要です。
骨を強くする食事・骨密度を低下させない食事療法としては以下の事に気を付けて意識的に摂取しましょう。
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなど、骨の形成に役立つ栄養素を積極的に摂りましょう。 カルシウムとビタミンDを同時に摂ることで、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。
また、高齢になると、食の好みが変わったり、小食になったりしてタンパク質の摂取量は不足する傾向があります。 タンパク質の摂取量が少ないと骨密度低下を助長しますので、意識して摂取しましょう。
栄養やカロリーのバランスがよい食事を規則的に摂るのが、食事療法の基本です。
また、日光浴でビタミンDがつくられることをご存知ですか?
ポカポカとして気持ちが良いなー!という心理的な面だけではなく、
カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、紫外線を浴びることで体内でも作られるのです。
夏の直射日光を長時間浴びることは、皮膚が赤くなるなどダメージにつながりますが、適度な日光浴は骨の健康に役立ちます。
冬であれば30分~1時間程度散歩に出かけたり、夏であれば暑さを避けて木陰で30分程度過ごすだけで十分です。 屋内で過ごす時間が長い高齢者や、美容のために過度な紫外線対策を行っている人では、ビタミンD不足が心配されます。運動をかねて積極的に外出する機会をつくって、上手に紫外線と付き合っていきましょう。
骨は負荷がかかるほど骨をつくる細胞が活発になり、強くなる性質があります。
骨を強くする運動療法としては、散歩を日課にしたり、階段の上り下りを取り入れるなど、日常生活のなかでできるだけ運動量を増やしましょう。
骨折予防に有効な運動は、ウォーキング、ジョギング、エアロビクスなどがありますが、ご自身の体の状態にあわせて無理なく続けることが大切です。
骨粗鬆症治療中の方や膝に痛みがある方は、運動を開始する前に医師に相談してみてください。
さて、ここからがようやく本題なのです(笑)
今回も内容十分なため、歯科との関わりに関しては次回に回したいと思います。
2回でまとめる予定でしたが、次回で完結です。
お楽しみに!